
肩こり > 進化する肩こり
力の支点を大転子におくと肩、首は身体の中で大きな質量を持ち、レバーアームが長い為ちょっとした姿勢変化で力の能率は大きく変わります。このレバーアームが長いことが肩こりの根本施術を難しくしています。
「身体を支える」、「直立で歩行する」、「細かい手の動きを可能とする」等の為に、複雑な姿勢反射や肩甲骨のジャイロ運動等が存在します。
重力垂線バランスで重たい物を乗せている。
生理的S字湾曲の存在理由はスプリング、 直立する人類の工夫です。頭や腕を、乗せ、ぶら下げている為、背骨や肩には大きな負担がかかっています。長い進化の過程で、不安定な土台上にて、重たいものを支える工夫をしなければいけない、しかしこの形は進化の途中であるらしく、非常にバランスが難しいと言われています。つまり重力垂線バランス(注1)が崩れると一気に負担が大きくなり筋肉の負担が大きくなる。
(注1) 重心垂線は、耳→C1→C7→TH12→大転子→膝関節中央→腓骨の外果(外くるぶし)のやや前方にあることが大切。これにより以下のような恩恵を人間は受けるようになった。
力学的な安定。
省エネルギー。
筋肉の無駄な動きが少ない。
内臓器官の働きを妨げない。
肩甲帯ジャイロ運動の中心軸

腕が動くには、肩甲骨との共同作業が必要、その為には、7つの関節(注1)が連係し合って動いています。腕を180度外転させるには肩甲骨が60度、肩関節が120度の2対1の協調運動が必要です。
直立に立ち、腕をぶら下げ、複雑な角度に動かせる生き物は人間だけです、その為、脳が発達し、細かい手作業が可能になりました。代わりに肩関節は複雑なメカニズムを持つようになりました。 首は前後左右に曲がり、回転までします。それは積み木のように重なった関節(頚椎)の連係プレーによって行います。構造が複雑な分、非常に不安定であると言えます。
肩こりの施術が難しいのは肩甲帯ジャイロ運動の中心軸を胸鎖関節に求めるため、肩甲帯と肩関節,股関節を一つのユニットとして考えなければいけない為です。当然身体の重心位置を正すため内臓へのアプローチが必要となります。また絶対に見落とせないのは足首と手首の可動域を正しておく事です。
関連トピックス⇒7つの関節(注1)
1-肋骨脊椎骨関節 2-肋骨胸骨関節 3-胸骨鎖骨関節 4-肩甲肋骨関節
5-肩峰鎖骨関節 6-上腕上方関節 7-肩甲上腕関節
人間の重心
胃、大腸、小腸、肝臓、婦人科系が疲れてくると、重心が腸の辺りにあるべきものが、胃の辺りに上がってしまい人間の重心位置が崩れます。その結果、骨格筋が無駄なエネルギーを使うため肩がこってきます。これらのサインは爪に現れます。
爪の白爪が乱れている場合、慢性の肩こりによる気管支、肺、心臓の機能上の疲労となります、更に疲労が重なると肝臓の働きが悪くなります。こんなときに風邪を引くこじらせ易い、また関節に負荷がかかり易くなる。
抗重力筋
重力に対向して姿勢を微調整する筋肉群が抗重力筋です、伸筋の多くは抗重力筋です。当然背筋群も重力に対向するため腹筋群よりも強い筋力を必要とします。この筋力バランスが崩れると姿勢維持に余分なエネルギーを使うため肩がこってきます。
座った姿勢で、前かがみの姿勢をとると姿勢反射の為の緊張と負担はぐっと増えます。
肩付近にかかる負担の力学
上体が前傾し重心線が15cm前方に移行した場合、背筋の負担は3倍に増加します。
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3 |
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| 1 |
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0.8 |
0.7 |
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背筋 |
腹筋 |
大胸筋 |
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| 2 |
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1.5 |
1.7 |
| 1 |
0.9 |
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| / |
背筋 |
腹筋 |
大胸筋 |
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| 背筋を伸ばした座り方 |
前かがみの姿勢 (デスクワーク等) |
後ろにふんぞり返る |
前かがみの姿勢では骨盤が後傾しやすく背筋群に対し牽引痛を生じやすい。骨盤の後傾を防ぐためにお尻の下にタオルを敷くなどの工夫をすると背筋群の緊張が緩和されます。
体重60kgの人では上半身の体重約30kgがL5から15cm離れたところで発生、300N「ニュートン」その180度反対側L3レベルのレバーアームで背筋が支えるには3倍の900Nの力が必要(300N X 15 = 4500N = 5 X 900N)
ちなみにこの時、椎間板には1200Nの力が掛かっており、まっすぐ座ったときの2倍の圧力が掛かっている。(重心線が大転子の真上に来るまっすぐな座り方では600Nですむ。)。

関節軸から力の作用点の距離 = レバーアーム を理解していると歩行観察に役に立ちます。例えば片手に荷物を持って歩いている人の肩は、どっちが上がっているでしょうか?(実際患者さんには「いつも同じ手にバックを持っているので悪くなる」と訴えてくる人、多くありません?)
正解は、物を持っている方の肩が上がっています。体軸を反対側に曲げて(自然と肩が上がる)、バックを重心線近くに持ってくることで、バックの重さ分の筋力負担を、均等にしようと反射的におこなっています。
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